「近世畸人伝」（きんせいきじんでん）は、江戸時代に書かれた随筆・奇書の一つです。この作品は、江戸時代初期の医師である内外膳所（ないがいぜんじょ）が編纂したもので、畸人（きじん）と呼ばれる奇妙な人々の生き様やエピソードをまとめたものです。

「畸人」とは、外見や性格が一般的な人々と異なる、奇妙な人々を指します。この書には、身体的な奇形や病気、精神的な異常など、さまざまな畸人の事例が収録されています。彼らの生き様や周囲との関わり方、また時には彼らが抱える苦悩や差別なども描かれています。

江戸時代には、現代のような医学や心理学の知識がなかったため、畸人たちの状況や特異な行動は不思議なものとして捉えられ、しばしば奇談や話の題材となりました。そのような背景もあり、「近世畸人伝」は当時の人々の興味を引き、広く読まれたと言われています。