キリシタン版（キリシタンばん）は、日本においてキリスト教関連の出版物が制作されたり、既存の文献がキリスト教的な視点で改訂されたりしたものを指します。これは、宣教師たちがキリスト教の信仰や教義を広めるために行った活動の一環として行われました。

16世紀後半から17世紀初頭にかけて、ポルトガルやスペインからキリスト教の宣教師が日本にやって来ました。彼らはキリスト教の聖典や教義を日本人に伝えるために、キリシタン版の聖書やカテキズム、そして他のキリスト教関連の書籍を日本語で制作しました。

これらのキリシタン版の文献は、当時の日本人にとって新しく興味深いものであり、キリスト教の教えや西洋の知識を紹介する手段として利用されました。しかし、キリシタン版の出版は徐々に制限され、やがて禁止されるようになり、キリシタン迫害の時代にはさらに厳しく取り締まられました。そのため、キリシタン版の書籍は現在でも非常に貴重なものとされています。